カナダ高校野球留学中の高校2年生・R君から、「ホストファミリーの事で相談があるんですが・・・」とメッセージが。

詳しく聞いてみると、

「ホストファミリーが最近冷たく感じる」「話が続かない」

などなど、ちょっと元気のない様子。すぐにR君へ電話をかけてみました。

詳しく聞いてみると、会話がうまく繋がらず、お互い距離感を感じ、最近は部屋に閉じこもる時間が自然と増えてしまっている、とのこと。

カナダに渡ったのは昨年の7月。日本の高校へ入学しましたが、チームに馴染めず退部。学校に行くモチベーションも下がってしまい、環境を変えたいと留学を決意しました。もともと大人しい性格で、自分をうまく表現できない年頃。初めての海外でご家族も心配していましたが、本人は弱音一つ吐かずに頑張っています。しかし言いたい事を我慢しすぎてストレスを溜めてしまうという面もあります。

12月に入り野球チームの活動がオフに入りました。学校も冬休みに入り、家に居る時間が増えてきた頃から「距離感」に気づいたそうです。

「あれっ、何を話せばいいんだろう・・・」 

普段は放課後、野球の練習へ行き、帰宅後シャワー。ご飯食べて宿題して就寝。規則正しい生活をしていたR君でしたが、いざ自由な時間が生まれたことで、今まであったルーティーンが崩れ、何をしていいか分らなくなってしまったそうです。

ホスト(以下:ホ)「R, How was school?」(R、学校はどうだった?)

R君(以下:R) 「It was good.」(良かったよ)

ホ 「That’s good. Are you hungry?」(あら、それは良かった。お腹空いてる?」

R 「No.」(いや)

ホ 「Oh, ok」(あ、そう)

R 「・・・・」

このような感じの会話がほとんどだったそうです。これでは会話のキャッチボールが成立していません。R君は聞かれたことにはしっかりと答えているので、間違いではありません。しかし、ボールを受け取ったR君は相手にボールを返さずに、そのまま地面に落としてしまう、キャッチボールに例えるならそんな状態。

例えば、R君が、

R 「How was your day?」(今日はどうだった?)

ホ 「Well… let me tell you what happened at work…」(そうね、今日職場でね・・・)

という具合に、相手にも聞き返すというアクションを取るだけで会話は続きます。もしかすると、このあとホストはヒートアップしてR君の英語力では理解できない表現を話すかもしれませんが、会話を共有することで人間関係を構築させます。

R君が「ホストが冷たい」と思っているということは、ホスト側も「Rに質問しても聞き返してくれない」と、逆に「Rは冷たい」ときっと感じているでしょう。

R君には、初めはオウム返しでもいいから「ボールを相手に投げ返す」というアドバイスをしてみました。悩みは成長するための試練だと思います。ちょっとした気づきで留学生活は大きく変化するもの。また来週あたりR君の様子を伺ってみようと思います。

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